SNSは若者にとって生活の一部です。
友人とのやり取り、情報収集、趣味の発信など、多くの場面で欠かせない存在となっています。
しかし、その便利さの裏側には、匿名での誹謗中傷や悪質な投稿が隠れています。
被害が深刻化するケースも多く、実際に慰謝料請求に発展する事例は増加傾向にあります。
第1弾では事例を中心にお伝えしましたが、今回は被害に遭った際の初動と、慰謝料請求までの流れ、そして注意点を詳しく解説します。
1. 被害を放置する危険性
誹謗中傷や個人情報晒しを放置すると、次のようなリスクがあります。
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投稿が急速に拡散し、削除後もスクリーンショットや転載が残る
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精神的なダメージが蓄積し、不登校・休職・うつ症状などに発展
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名前を検索すると悪評が残り、就職や進学に悪影響を与える
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加害者が同じ行為を繰り返し、新たな被害者を生む
「そのうち消えるだろう」ではなく、早期に行動することが重要です。
2. 初動でやるべきこと
① 証拠の確保(最優先)
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スマホやPCで画面をスクリーンショット
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投稿のURL、日時、ユーザー名を保存
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コメント欄や閲覧数などの数字も記録
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動画やライブ配信なら録画保存
※削除される前に確保することが何より大切です。
② 投稿削除の要請
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SNSの通報機能を使い、削除依頼
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プラットフォームに直接申請フォームから削除申請
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ただし、削除前に必ず証拠を残すこと(消えると請求が困難に)
③ 第三者への相談
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信頼できる友人や家族に状況を共有
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学校の先生やスクールカウンセラーへ相談
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探偵や弁護士など専門家に早めに連絡
3. 慰謝料請求までの流れ
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発信者情報開示請求
SNS運営会社やプロバイダに対し、IPアドレスや契約者情報を開示請求します。
裁判所を通すケースも多く、弁護士が対応することが一般的です。 -
内容証明郵便の送付
発信者の住所氏名が判明したら、慰謝料や謝罪文を求める正式な書面を送付します。 -
交渉または訴訟
話し合いで解決できない場合、民事訴訟を提起。
慰謝料額は数十万円〜100万円以上になることもあります。
4. 若者世代に多い誹謗中傷のケース
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Instagram裏アカでの悪口・晒し投稿
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ゲーム配信中の侮辱コメントや煽り
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学校・アルバイト先の悪評をSNSで拡散
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TikTokやXでの容姿・性格への中傷動画
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LINEオープンチャットでの陰口や暴露
こうした投稿は「冗談」や「ノリ」で行われることもありますが、法律上は立派な名誉毀損や侮辱罪にあたり、慰謝料請求の対象になります。
5. 慰謝料請求を成功させるための注意点
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証拠は改ざんせず、時系列で整理
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相手を挑発するような投稿をしない
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相談は早めに、専門家と連携して進める
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SNSやネット掲示板での独自公表は避ける(逆にトラブル化する恐れあり)
6. まとめ|泣き寝入りしない勇気を
誹謗中傷の被害は、見えない傷を深く残します。
ですが、「誰がやったかわからない」では終わらないのが現代です。
証拠を残し、適切な手順を踏めば、発信者を特定し慰謝料請求まで可能です。
被害に遭ったら、まずは深呼吸して証拠を残す。
そして一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に相談してください。
それが、あなたの心と未来を守る第一歩です。